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錯視リバースパースペクティブ

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動画を再生して下さい。トラに見られている気がしませんか?実際は動かない模型です。

説明

動画を再生すると、トラが首を回しながら、私たちの方を見続けているように見えます。しかし実際は、トラの首は全く動いていません。なぜなら、このトラは紙で作成した模型にすぎないのです。 トラが首を動かしているように見えるのは、もちろん目の錯覚です。

このトラの模型は、インターネットで有名な「Gathering for Gardner Paper Dragon」と呼ばれる龍(ドラゴン)の紙模型を参考に作成しました。ドラゴンの紙模型は、数学者・パズル研究家であり、科学に関する数々の優れた著作を残したマーティン・ガードナーを記念して、1998年にアトランタ(アメリカ)で開催された会合「Gathering for Gardner」で配布されたものです。ドラゴンがもたらす驚異的なイリュージョンは人々に衝撃を与えました。

この錯視を楽しむ方法は以下の通りです。まずはトラ模型の紙型を下のリンク先からダウンロードして、解説通りに組み立ててください。ハサミ(カッター)とノリを用意してください。

組み立てたら自分の前に置き、まずはトラの顔を見つめてみましょう。顔の部分は実際には引っ込んでいるのですが、しばらく見ていると奥行き感覚が曖昧になり、顔がでっぱって、つまり普通の顔に見えてきます。これは「ホロウマスク錯視」です。そうなったらしめたもの。自分の顔を左右や上下に動かしてみましょう。トラの顔がこちらについてくるという、すばらしい錯覚が得られるでしょう。どれくらいまで動かしても、トラはちゃんとついてくるか、いろいろと試してみましょう。

リバースパースペクティブとは「逆の(reverse)遠近法(perspective)」の意味です。トラの顔を凹ますことにより、逆の遠近を作り出しています。そのために、この錯視を「逆遠近錯視」とも呼びます。

なかなか錯覚が見られない人は、トラの顔を片目で見たり、目を細めてぼやけるような見方を試してみるとよいでしょう。要は、トラの顔がふくらんでいるように見えればよいのです。照明を上からではなく横から当てるのも効果的です。

さて、この不思議な錯覚は、脳による「賢い」判断が引き起こしているといえます。自分の顔を左に動かす時、もしトラの顔が本当にふくらんでいれば、トラの顔の右側が見えてくるはずです。ところが実際に見えてくるのは、トラの顔の左側。なぜならトラの顔は物理的には凹んでいるからです。

ここで脳がとりうる解釈は二つあります。一つ目は、「トラの顔はでっぱって見えるけど、ほんとうは凹んでいるに違いない」という解釈。二つ目の解釈は、「トラの顔はでっぱっている。それにもかかわらず顔の反対側が見えてくるのは、トラが首を回して私の方を見続けているからなのだ」というもの。物理的な正解は最初の解釈ですが、脳は多くの場合、二つ目の解釈を採用します。その結果として、トラの顔が動いて見える錯覚が表れるのです。

二つ目の解釈をとった脳は、「だまされた」のでしょうか。おそらくそうではありません。現実の世界を考えると、凹んだ顔を見たことは今までにほとんどなかったはずですし、今後もまずないでしょう。脳は、与えられた情報が曖昧な時(例えば奥行き感がはっきりしない時)、最もありそうに思える解釈をとるのです。

リバースパースペクティブは、現実世界において最も起こりうる解釈を採用するという脳の賢い働きを垣間見せてくれるのです。

なお、ここで紹介しているビデオで錯覚がはっきりと見える理由は、ビデオ映像のクォリティが低いためです。陰影や形といった立体感をもたらす情報が曖昧になっているため、「ホロウマスク錯視」により顔は凹んで見えないのです。

2009年に東京/名古屋/神戸で開かれた「奇想の王国 だまし絵展」で展示されたパトリック・ヒューズの「水の都」にみられる驚異の錯覚も、ここで紹介した錯覚と同じ原理によります。パトリック・ヒューズは自身の作品を「リバースペクティブ」と呼んでいます。これは「リバースパースペクティブ」からの造語です。

参考文献

  • 「だまし絵練習帖 ~基本の錯視図形からリバースペクティブまで~」 竹内龍人 誠文堂新光社 2010年
    この本ではリバースパースペクティブ(逆遠近錯視)の作り方を詳しく説明しています。

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  • デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。

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