説明
イギリスの心理学者グレゴリーらによって名づけられました。彼らが出した1979年の論文では、この錯視図形のようにタイルが配置されたカフェの壁の写真が掲載されています。タイルの境界線(モルタルに相当します)が傾いて見えますね。しかし実際はどの境界線も平行です。濃いグレー、あるいは淡いグレーのタイルが半分重なり合ったときに、最も強い錯視効果が得られます。全く重ならないと、錯視効果は消え、境界線は平行に見えるようになります。「すすむ」を押すか、画像を左にスワイプして、2枚目の画像に進んで確認してください。
また境界線の明るさが、二つのタイルの中間の明るさにあるときに、錯視効果が最大となることも知られています。これも「すすむ」を押すか、画像を左にスワイプして、3枚目の画像に進み確認してください。境界線が黒いと、錯視効果がほとんど表れません。
カフェウォール錯視が生じるのは、視覚システムに存在する「傾き」を検出するメカニズムが働いているからだと考えられます。境界線は、一見画面上では傾いていないのですが、実はこの境界線には傾いている成分が含まれているのです。そのような成分に、視覚の「傾き」検出メカニズムが反応していると考えられます。
参考文献
- Gregory, R. L. and Heard, P. (1979) Border locking and the Café Wall illusion. Perception, 8, 365-380.
- Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004) Contrast polarities determine the direction of Café Wall tilts. Perception, 33, 11-20.
- Takeuchi, T. (2005) The effect of eccentricity and the adapting level on the Cafe Wall Illusion. Perception & Psychophysics, 67, 1113-1127.
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