説明
左右の灰色の明るさを比べてください。左側がより明るく、右側はより暗く見えます。実際の明るさはどうなっているか、「すすむ」を押すか、画像を左にスワイプして2枚目の画像に進めてみてください。左右の明るさは全く同じであることが分かります。
この錯視の重要な点は、「明るさの対比」だけでは説明できない、ということです。左側の灰色のパターンを見てみましょう。このパターンは白と黒に接しています。接している長さはどちらが大きいでしょうか?白と接している部分の方が長いですよね。「明るさの対比」が生じるとすれば、左側の灰色の方が暗く見えるはずです。しかし実際には、左側の灰色が明るく見えます。この錯視の原因としては、いくつかの説明が考えられます。一つは、「同化」の過程が働いているということ。つまり、灰色のパターンの上に乗っている明るさの方に、灰色の見かけの明るさが引きずられるということです。もう一つは、格子模様が灰色パターンと異なる奥行きにあると視覚システムが解釈し、その結果として、同じ奥行きにある背景と対比効果が生じている、という可能性です。
このホワイト錯視に色づけしたものが「ムンカー錯視」です。そちらもチェックしてみましょう。
参考文献
- White, M. (1979) A new effect on perceived lightness. Perception, 8, 413–416.
デモについて
- デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。