説明
オーストリアの物理学者エルンスト・マッハが100年以上前に報告した錯視です。画面の中心部分が盛り上がっているように見えます。しかし実際に描かれているは、そのような複雑な図形ではありません。明るさが下の図のように変化しているだけなのです。
左側のエッジ部分、つまり一定だった明るさが徐々に低下する部分では、実際よりも明るく見えます。逆に、右側のエッジ部分、つまり明るさの低下が終わり一定になる部分では、実際よりも暗く見えます。これがマッハバンドです。マッハバンドは、「明るさの対比」で解説した側抑制(そくよくせい)のメカニズムにより生じると考えられています。アメリカの生理学者K.ハートラインは、カブトガニの目において実際に側抑制が生じていることを見出しました。また、側抑制により、マッハバンドや「シェブルール錯視」が説明できることも実験的に示しました。ハートラインは、これらの業績により1967年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
「すすむ」を押すか、画像を左にスワイプして、2枚目の画像に進みます。下の図のように、明るさを三段階で変化させています。ここでもきれいなマッハバンドを観察することができます。
マッハバンドのように、エッジにおいて見かけの明るさが変わる現象は、「シェブルール錯視」や「ヴァザレリ錯視」で観察することができます。
参考文献
- Hartline, H. K. (1969) Visual receptors and retinal interaction. Science, 164, 270-278.
デモについて
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