説明
画像の中心(つまり放射模様の中心)を見ながら、顔を前後に動かしてみましょう。すると、画像に描かれた白いぼやけた模様の見え方が、劇的に変わるのに気がつくでしょう。顔を近づけると、そのスピードに応じてぼやけた模様は大きく、そして明るくなります。顔を遠ざけると、ぼやけた模様は小さく暗くなります。
なぜ顔を動かしただけで、これほど見え方が変わってしまうのでしょうか?顔をすこし前後させたくらいではモノの見え方は変わらない、という日常の経験からすると、この「ダイナミックルミナンス」はとても不思議な錯覚だといえます。「ルミナンス」とは「輝度」、つまり明るさのことです。「ダイナミックルミナンス」とは、時間的に明るさ(そして大きさ)が変わる錯覚、という意味になります。
錯視が起きる理由として、ぼやけたパターンに対しては「大きさの恒常性」が効かないため、網膜における視野角どおりの大きさが認識されているという可能性があります。一方、順応による残像がこの錯覚を引き起こしている、という説明もあります。
この錯視はもっと単純な図形でも見ることができます。「すすむ」を押すか画像を左にスワイプして、次の錯視図形でも試してみましょう。
参考文献
- Gori, S & Stubbs, D. (2006) A new set of visual illusions – the Dynamic Luminance-Gradient Illusion and the Breathing Light Illusion. Perception, 35, 1573-1577.
- Anstis, S., Gori, S. & Wehrhahn, C. (2007) Afterimages and the Breathing Light Illusion. Perception, 36, 791-794.
デモについて
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