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錯視コフカのリング

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説明

ゲシュタルト心理学者のコフカが発見したとても興味深い現象で、コフカのリング(輪)と呼ばれています。白を背景にした左側の円弧(えんこ)と、黒を背景にした右側の円弧とでは、どちらが明るく見えますか。答えが出たら、「すすむ」を押すか、画像を左にスワイプして、2枚目の画像に進んでください。円弧がつながりましたね。どうでしょうか?右も左も同じ灰色にみえますね。ためしに「もどる」を押すか、画像を右にスワイプして1枚目の画像に戻れば、円弧は再び左右に分かれますので、確認してみてください。円弧が左右に分かれているときの明暗の見え方は、一つ前にあるデモ、「明るさの対比(たいひ)」と同じです。つまり、回りが明るいと暗く、回りが暗いと明るく見えます。対比とは「コントラスト」を意味しています。

このように、コフカのリングでは、輪が切れているときに明暗の対比が顕著におこり、輪がつながると対比が薄れてしまいます。「明るさの対比」デモの説明で、この現象は側抑制(そくよくせい)とよばれる視覚メカニズムによるものである、と説明をしました。「側抑制」とは、隣り合っている神経細胞群が、お互いに、相手の反応を小さくしようと抑制しあうことです。

しかし、どうやら真実はさらに複雑なようです。「明るさの対比」デモで説明した「側抑制」だけでは、「コフカのリング」を説明することはできません。「コフカのリング」からいえることは、「図形に切れ目があるかどうか」が、明暗の対比がおきるための重要な手がかりだ、ということです。

広い領域から情報を集め、このような切れ目を手がかりの一つとして、図形がひとつのものであるか否かを判断するメカニズムが視覚システムにはそなわっており、それが最終的に明るさの知覚(見かけの明るさ)を決めていると考えられます。

「明るさの認識」という、とても単純に思えることですら、とても複雑な脳の働きがかかわっており、まだまだわかっていないことが多いのです。

参考文献

  • Adelson, E. (2000) Lightness Perception and Lightness Illusions. The New Cognitive Neurosciences (Eds. M. Gazzaniga), MIT Press, pp.339-351.

デモについて

  • デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。

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