説明
子供のころ、両手の指を合わせて手のひらを近づけたり遠ざけたりすると、指の間にガラスや下敷きのような硬く平らな面が挟まっているように感じる、という遊びをしたことがないでしょうか? 動かし方にコツがいりますが、しばらく手を動かし続けると感じやすくなるようです。
柔らかい指を押しつけあっているにも関わらず、なぜガラスのような硬い面を感じるのでしょうか? ある研究者たちは、この錯触の手順において指先の皮膚が硬い平面に触れたときと同じように変形するためにこの錯覚が生じるのではないかと議論しています。両方の人差し指を同じ力かつ同じ速度で押しつけあっているときの皮膚変形を観察してみてください。指腹の皮膚変形が対称になり、平面的な境界を形成しているのがわかります。このように同じ柔らかさのものを同じ速度で押し付けたときに生じる皮膚変形が、硬く平らな面に触れたときの皮膚変形に似ているために、我々はガラスや下敷きのような面を錯覚してしまうのかもしれません。
参考文献
- Takeuchi, M., Kaneko, S.,& Kajimoto, H. (2021). Modulation of Curvature of Soft Ball by Facing Motion. IEEE World Haptics Conference (WHC) 2021.
- 竹内 将大, 金子 征太郎, & 梶本 裕之. (2022). 柔軟球の対向運動による硬さ・曲率変調. 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 27(3), 245–253.
デモのながれ
[1]. 両手の指先をくっつけて手のひらを近づけたり遠ざけたりします
[2]. しばくすると、指の間にガラスのようなかたく平らな面がはさまっているような感じがしてきます
[3]. なぜ、このように感じられるのでしょうか?
デモについて
- デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。
- 錯触デモを試される際には、皮膚・身体等に痛みやダメージを与えないよう、刺激強度、刺激方法、道具の操作にお気をつけください。