説明
くしの歯を指で押さえつけて、くしの側面をペンでこすると、まるでくしの歯が順番に伸びて指腹を突き刺すかのように感じるのではないでしょうか。もちろん、くしの歯はペンでこすった方向にわずかに動くだけで、実際には指に向かって伸びていません。
くしの歯の側面をペンでこすったとき何が起きているのか、くしに目を近づけて観察してみてください。ペンがあたっているくしの歯の部分で隙間が広がり、その結果、そのくしの歯に押し付けられている指の皮膚が横に引っ張られているのがわかります。そのままペンを動かすとくしの歯の隙間が広がる部分もそれに伴って移動します。これによって、指の皮膚が横に引っ張られる部分も移動します。おそらく、人間は皮膚が横に引っ張られている状態と皮膚に突き刺すように押し込まれている状態が区別できないため、突き出たくしの歯が皮膚上を移動するように感じてしまうのでしょう。
参考文献
- V. Hayward, M. Cruz-Hernandez, Tactile display device using distributed lateral skinstretch, in: Proceedings of the Haptic Interfaces forVirtual Environment and Teleoperator Systems Symposium, Vol. DSC-69-2,ASME, 2000, pp. 1309–1314.
デモのながれ
[1]. くしとペンを用意します
[2]. 片方の手でくしをにぎり、親指の腹をくしの歯の先にあてます
[3]. もう片方の手でペンを持ちます
[4]. ペンでくしの歯の側面を横方向になぞります
[5]. うき上がった点が親指の腹の上を移動しているような感じがします
[6]. 実際には、うき上がっておらず移動もしていません
[7]. 不思議ですね!
デモについて
- デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。
- 錯触デモを試される際には、皮膚・身体等に痛みやダメージを与えないよう、刺激強度、刺激方法、道具の操作にお気をつけください。