説明
Aは、一定の「ピー」という音が鳴り続け、それに加えて規則的に別の短い「ピッピッピッ…」という音が聞こえるのではないでしょうか。一方Bは、ひとつの「ピー」という音が強くなったり弱くなったりというように、波打っているように聞こえませんか。
どちらも1000 Hzの純音がもとになっていますが、Aの方はレベルが急に変化する(6 dB/10 ms)のに対し、Bの方はゆっくり(6 dB/80 ms)変化します。
急に変化すると、脳は別の音が出現したと解釈する傾向があり、今まで鳴り続けていた音と別の短い音とが並行して聞こえます(一種の連続聴効果)。一方ゆっくりと変化すると、ひとつの音が変化したと解釈する傾向があります。
続聴効果では、欠落部分を補完されるべき音(被誘導音)と、欠落部分に挿入される音(誘導音)との間で音の性質が突然変化することが、連続聴効果が生じるための条件のひとつなのです。
(『音のイリュージョン』p.17-20)
参考文献
- 「音のイリュージョン ― 知覚を生み出す脳の戦略 ―」 柏野牧夫著 岩波書店 2010年
デモについて
- デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。
- 錯聴デモを使用される際には、耳にダメージを与えないよう、お使いのデバイスの音量設定を最適な状態にしてからおためしください。