動画を再生してください。同じ重さだけど大きさが違う2つの物体を眺めながら持ち上げたとき、どちらが重く感じるでしょうか?
説明
同じ質量だけど大きさが異なる2つの物体にそれぞれ紐をつけて、眺めながら紐を引っ張り上げてみると小さい見た目の物体のほうが重く感じるのではないでしょうか。物体を紐ごしに間接的に持ち上げる場合は、物体そのものの大きさの情報は触覚的に得られず、見た目だけで判断することになります。つまりこの現象は、視覚的な大きさの情報が触覚的な重さの判断に影響することを示唆しています。この点において、触覚的な大きさの情報(つまり触れたことによってわかる大きさの情報)が触覚的な重さの判断に影響するという大きさ-重さの錯覚とは異なっています。
では、観察者にこれから持ち上げる物体としてある大きさの物体を見せたあと、目をつぶってもらい、別の大きさの物体にすり替えて持ち上げさせるとどうなるでしょうか? 持ち上げる前の視覚的な大きさの情報も重さ錯覚を引き起こすことが知られています。つまり、観察者は最初に見た物体が小さいときほど実際に持ち上げた物体を重く答える傾向があるようです。人間は、触れるだけではなく、見た目の情報も用いて重さを判断しようとする性質があることがわかります。
参考文献
- Ellis, R.R. andLederman, S.J.(1993)The role of haptic versus visual volume cues in the size -weight illusion.Perception & Psychophysics,53,315–324.
- Buckingham,G. andGoodale,M. A.(2010) Lifting without Seeing: The Role of Vision in Perceiving and Acting upon the Size Weight Illusion. PLOS ONE, 5(3),e9709.
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