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錯視婦人と老婆

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説明

この有名な「だまし絵」の見方は2通りあります。おわかりでしょうか?

正解は、斜め後方を向いている若い婦人か、右を向いた老婆の横顔です。あなたはどちらに見えますか。婦人の耳と老婆の目、婦人の顎と老婆の鼻、婦人のネックレスと老婆の口がそれぞれ対応しています。人によっては婦人か老婆のどちらかにしか見えない場合もあるでしょうし、婦人と老婆を交互に見ることのできる人もいるでしょう。しかし婦人と老婆を「同時に」見ることはできないのではないでしょうか?。「婦人と老婆」に代表される,複数の意味が込められている絵や図版のことを「多義図形」と呼びます。

ある一つの図形を、Aという対象としてもBという対象としても認識できるとき、AとBが両方同時に知覚されることはないと考えられています。つまり、片方(例えばA)が意識に上っている瞬間は、Bは意識下(すなわち無意識)にある、ということです。そのため、多義図形を見ているときの脳活動を実験的に調べることにより、意識や無意識といった難問に取り組むことが可能になるといえます。

ここで掲載した絵のオリジナルは、1888年にドイツで発売された絵葉書だといわれています(ウェブサイト IllusionWorks, L.L.Cの記述より)。2年後の1890年には、ある会社がこの絵を用いて宣伝用のポスターを作製しています。その後、1915年にイギリスの商業雑誌にイラストという形で紹介され、1930年にはデフォルメされたバージョンが心理学の学術誌に掲載されました(Boring,1930)。このような古い歴史を持つ「婦人と老婆」は、1915年に雑誌に掲載されたイラストがそのオリジナルだと紹介されることが多いようですが,実際には作者不詳なのです。このすばらしい「だまし絵」は,100年の時を経て,今でも人の心を引きつける力を持ち続けています。

ちなみに「婦人と老婆」では、もう一つ、多義的な図が隠されています。ボンネット(帽子)に注目してください。

このような多義図形にはさまざまなものがあります。イリュージョンフォーラムの「ルビンの壷」「ウサギとアヒル」もぜひみて下さい。

参考文献

  • Kornmieier, J., Bach, M. (2005) The Necker cube -- an ambiguous figure disambiguated in early visual processing. Vision Research, 45, 955-860.

デモについて

  • デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。

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