説明
中央に白い長方形が見えると思います。これを錯覚だと思う人はいないかもしれません。しかし、よく考えてみると、ここに描かれているのは一部が欠けた同心円と縦横の直線だけなのです。長方形はどこにも描かれていません。描かれていないものが見えるのですから、これもやっぱり錯覚なのです。このように境界となる線もなければ色や明暗の差もないのに見える輪郭なので「主観的輪郭」です。「カニッツアの三角形」では一部が欠けた赤い円が重要な役目をはたしますが、このように線分の端点がならぶとやはり強い主観的輪郭が生じます。
「すすむ」を押すか、画像を左にスワイプして、次の画像も見てみよう。赤い円の向きが変わると主観的輪郭は消えてしまいます。
この主観的輪郭にも、もう一つ奇妙な点があります。カニッツアの三角形と同様に長方形に見える部分が、そのまわりよりも明るく感じられることです。やはり黒線との対比と考えてよさそうです。下の図のように背景や中央の長方形を灰色にして、黒線分と白線分を交互に配置します。すると主観的輪郭は生じるのですが、明暗の差ははっきりしなくなります。
デモについて
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