Home > 錯触 > 身体感覚 > 腕交差による順序反転

 

錯触腕交差による順序反転

説明をよむ

動画を再生してください。右手と左手を順番にタップするとき、どちらが先にタップされたか分かりますか?右手と左手を交差させると、タップされた順番の判断はどうなるでしょうか?

説明

どなたか周りの人に、右手と左手のそれぞれの指先を、時間差をつけてタップしてもらってください。どちらの指先が先にタップされたか正しく判断できるでしょうか? よっぽど時間差が小さくなければ、タップされた順番を間違えることはほとんどないのではないでしょうか。それでは右手と左手を交差してみるとどうなるでしょうか。先ほどまでは簡単にタップの順番を判断できた時間差であっても、右手が左側に、左手が右側にあるような配置では途端に難しくなります。腕交差による効果は0.3秒くらいの時間差において顕著になります。特筆すべきは、タップの順番の判断を間違えやすくなるどころか、右手と左手を完全にひっくり返して逆の順に感じてしまう人もいるということです。つまり、右手と左手を交差した状態で、0.3秒の時間差をつけて右手→左手の順番にタップすると、「左手が先にタップされた」と回答してしまう人もいるということです。

この現象における重要な示唆は、時間順序の判断において、手の空間的な位置関係が考慮されているということです。これは一見奇妙なことに思えます。なぜならば、右手の指先がタップされたという情報が先に脳にやってきたならば「右手」、左手の指先がタップされたという情報が先に脳にやってきたならば「左手」と回答すればいいだけに思えるからです。実際には人間はこのような皮膚上でのタップ順という時間情報をそのまま用いていないようで、右手と左手がそれぞれ空間上のどこにあるかという空間情報も加味した上でタップ順を判断しているのではないかと考えられます。そのため右手が左側に、左手が右側にあるような配置では、タップの順番を間違えてしまうのかもしれません。

参考文献

  • Yamamoto, S., & Kitazawa, S. (2001). Reversal of subjective temporal order due to arm crossing. Nature Neuroscience,4(7), 759–765.
  • Shore, D. I., Spry, E., & Spence, C. (2002). Confusing the mind by crossing the hands. Cognitive Brain Research, 14(1), 153–163.

デモのながれ

[1]. このデモはAさんとBさんの2人で行います

[2]. Aさんは目を閉じて両うでをのばします

[3]. Bさんが、Aさんの両手を順番に1回ずつたたきます

[4]. Q.先にたたかれた手はどちらですか?

[5]. 正解です!

[6]. 次に、うでを交差させて順番に手をたたいてみます

[7]. Q.先にたたかれた手はどちらですか?

[8]. 実際には、反対側の手が先にたたかれていました

[9]. なぜ順序が反転して感じられるのでしょうか?

デモについて

  • デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。
  • 錯触デモを試される際には、皮膚・身体等に痛みやダメージを与えないよう、刺激強度、刺激方法、道具の操作にお気をつけください。

Back to top

身体感覚一覧

アリストテレスの錯覚

腕交差による順序反転

ねじれ唇の錯覚

ジグザグ舌錯覚

笑顔とふくれっ面

指の麻痺錯覚

感覚減衰

コーンスタム現象

ハンガー反射

Back to top