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錯触アリストテレスの錯覚

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動画を再生してください。交差させた指で物に触れてみるとどのように感じるでしょうか?

説明

人差指と中指を交差させて、一本の鉛筆や自分の鼻にそっと触れてみてください。鉛筆や自分の鼻が2つあるように感じませんか? 錯覚が起こりにくい場合は、利き手ではない方の手を使ったり、中指と薬指など普段交差させることがない指を使ったりすると起こりやすいかもしれません。この錯触はアリストテレスの錯覚と呼ばれます。この名前は、古代ギリシアの哲学者であるアリストテレスによる報告が有名なことに由来します。

この錯覚は、実際には指を交差しているにも関わらず、指を交差していないという前提のもとで触れた物体の位置を推定しようとするため生じるのではないかと考えられています。例えば、中指と薬指を交差させずに鉛筆に触れるとき、鉛筆は中指と薬指のそれぞれ隣り合った領域に触れます。一方で中指と薬指を交差させて鉛筆に触れたとき、鉛筆はさきほどの隣り合った領域とは異なる領域に触れているのではないでしょうか? これらの領域は中指と薬指を元の位置に戻すと、中指と薬指のお互いに離れた領域であることに気がつきます。つまり、指が交差しているかどうかという姿勢は関係なく、皮膚上の離れた2点の領域に触れているから、独立した2つの物体があるのだという知覚が出来上がるのだという考えになります。

説明図 アリストテレスの錯覚
説明図 アリストテレスの錯覚

指を交差させると自分の指の正確な位置がわからなくなるからこのような錯覚が生じるのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、指を交差させた状態でもその指の位置は正しく答えられるにも関わらず、指に触れた物体の位置は間違って回答してしまうことが知られています。人間は、指のどこに物体が触れたかという情報と、自分の姿勢の情報(つまり自分の指がどの位置にあるのかという情報)のそれぞれを持っているのだけれども、触れた物体の位置を判断する際には自分の姿勢の情報は使っていない、ということなのかもしれません。

参考文献

  • Benedetti, F. (1985). Processing of tactile spatial information with crossed fingers.Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance,11(4), 517– 525.
  • Benedetti, F. (1988). Localization of tactile stimuli and body parts in space: Two dissociated perceptual experiences revealed by a lack of constancy in the presence of position sense and motor activity. Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance,14(1), 69–76.

デモのながれ

[1]. いろいろな形の物を用意します

[2]. 人差し指と中指を交差させます

[3]. 指の交差した部分で物に触ります

[4]. 物の形が分からなくなるような不思議な感じがします

[5]. ぜひ試してみてください!

デモについて

  • デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。
  • 錯触デモを試される際には、皮膚・身体等に痛みやダメージを与えないよう、刺激強度、刺激方法、道具の操作にお気をつけください。

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