説明
AとBの音はいずれもでたらめな音のようですが、実は、その周波数の関係に規則性があります。「内耳で作られる音(結合音)1」では、周波数の異なる2つの音(それぞれの周波数をF1およびF2 (Hz)としましょう)を同時に鳴らすと、2F1-F2という周波数を持つ新しい音(結合音)が聞こえることを説明しました。この「内耳で作られる音(結合音)2」では、2F1-F2がDの音の周波数になるように、AとBの音の周波数(F1とF2)を決めたのです(図;実際の音の周波数とは異なります)。まずF1としてでたらめな周波数の列を作った後に、上の関係性を持つように、F2を算出しました。AとBの音を同時に鳴らしたCの音を聞くと、Dの音に相当する結合音がかすかに聞こえます。
なお「内耳で作られる音(結合音)1」と同様に、この結合音がスピーカーの非線形ひずみによるものではないことを確認するために、Aの音(F1)とBの音(F2)が左右別々のスピーカーから再生されるようにした音源も聞いてみてください(左右のスピーカーはできるだけ近づけて配置してください)。C´では、AとBが別々のスピーカーから再生されるため、スピーカーの非線形ひずみの影響はないはずですが、やはり結合音が聞こえます。
f1 (左スピーカー)
f2 (右スピーカー)
f1 (左スピーカー)+ f2 (右スピーカー)
参考文献
- 蘆原 郁, 結合音 : 存在しない音が聞こえる(<小特集>音と映像で体験できる聴覚の不思議な世界), 日本音響学会誌, 2005, 61 巻, 5 号, p. 279-283
デモについて
- デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。
- 錯聴デモを使用される際には、耳にダメージを与えないよう、お使いのデバイスの音量設定を最適な状態にしてからおためしください。