Home > 錯触 > 形状知覚 > リッジ/トラフ錯覚

 

錯触リッジ/トラフ錯覚

説明をよむ

動画を再生してください。付箋紙の粘着面と非粘着面の並びをなぞったとき、どのような形状を感じるでしょうか?

説明

動画のように付箋紙の粘着面の帯2本に囲まれた3mm幅の非粘着面の帯を上から静かに指で押し込んでみてください。粘着面と非粘着面が隙間なくぴったりくっつけられていれば、粘着面と非粘着面は同じ高さ(つまり平ら)に感じられるはずです。しかし非粘着面の帯を指でなぞってみると、非粘着面が粘着面に比べてへこんでいるように感じられるのではないでしょうか?このように実際には平らなはずなのに溝(トラフ)を感じるのでトラフ錯覚と呼ばれています。反対に、非粘着面の帯2本に囲まれた3mm幅の粘着面の帯をなぞってみると、今度は粘着面の帯部分がでっぱって感じられるのではないでしょうか。つまり、実際には平らなはずなのに隆起(リッジ)が感じられます。

説明図 トラフ
説明図 リッジ

この錯触は、魚骨触錯覚と似ています。実際、魚骨触錯覚はリッジ/トラフ錯覚の一つのバリエーションであると考える研究者もいます。これらの錯触において重要なことは、帯に沿ってなぞったときに生じる指の腹の皮膚変形が均一ではないということです。粘着領域では皮膚と付箋紙の間の摩擦が大きくなるので、指を動かすことによって皮膚が大きく引っ張られて変形します。一方で、非粘着領域における皮膚変形は相対的に小さくなります。このように皮膚上で不均一な変形が生じたとき、我々の触覚はその原因を摩擦ではなく、形状に求めるのかもしれません。通常、本物の溝を指でなぞると、溝内を押し付ける力よりも溝の外側を押し付ける力のほうが大きくなるため、溝の外側の部分から受ける摩擦力のほうが大きくなります(隆起では逆になります)。現実世界において、平らなのに摩擦が不均一な状況よりも、形状が異なるため摩擦が不均一になる状況のほうが多いために、皮膚変形の原因を摩擦より形状に求めようとする戦略が備わったのかもしれません。

説明図 トラフ
説明図 リッジ

参考文献

  • Hayward, V. (2008). A brief taxonomy of tactile illusions and demonstrations that can be done in a hardware store. Brain Research Bulletin,75(6), 742–752.
  • Nakatani, M., Sato, A., Tachi, S., Hayward, V. (2008). Tactile Illusion Caused by Tangential Skin Strain and Analysis in Terms of Skin Deformation. In: Ferre, M. (eds) Haptics: Perception, Devices and Scenarios. EuroHaptics 2008. Lecture Notes in Computer Science, vol 5024. Springer, Berlin, Heidelberg.

デモのながれ

[1]. ふせん紙を用意します

[2]. ふせん紙をはり合わせて3mmはばの非粘着面(ねばねばしない)が、粘着面(ねばねば)の間にはさまれるようにします

[3]. 赤が粘着面(ねばねば)、青が非粘着面(ねばねばしない)です

[4]. 指で押さえると赤と青のふせん紙の高さは同じです

[5]. しかし、指でなぞると真ん中の青いふせん紙(ねばねばしない)がへこんでいるように感じられます

[6]. 次に、3mmはばの粘着面(ねばねば/青)が、非粘着面(ねばねばしない/赤)の間にはさまれたものを用意します

[7]. 指でなぞると、今度は真ん中の青いふせん紙(ねばねば)がでっぱっているように感じられます

[8]. なぜ、このように感じられるのでしょうか?

デモについて

  • デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。
  • 錯触デモを試される際には、皮膚・身体等に痛みやダメージを与えないよう、刺激強度、刺激方法、道具の操作にお気をつけください。

Back to top

形状知覚一覧

回転する砂時計の錯覚

回転ディスクの伸長錯覚

凹凸の残効

魚骨触錯覚

リッジ/トラフ錯覚

くし錯覚

水平方向の力に基づく凹凸錯覚

ミュラーリヤー錯触

デルブーフ錯触

垂直水平錯触

Back to top