Home > 錯触 > 形状知覚 > 水平方向の力に基づく凹凸錯覚

 

錯触水平方向の力に基づく凹凸錯覚

説明をよむ

動画を再生してください。裏側に磁石が取り付けられた平らな面を磁石でなぞるとき、どのような形状を感じるでしょうか?

説明

動画のように、ものさしの下に磁石を固定し、そのものさしの上で別の磁石を浮かないようにゆっくり滑らせてみてください。もし、磁石同士が反発する組み合わせだった場合、固定された磁石の上を通過するとき小さなでっぱりを乗り越えたように感じられるのではないでしょうか。または、磁石同士がひきつけあう組み合わせだった場合、小さなへこみにひっかかったように感じられるのではないでしょうか。

この現象は実際の形状の情報よりも、力の情報のほうが凹凸の判断に用いられやすいことを示唆しています。形状の情報というのは、でこぼこした面をなぞったとき指がどう動いたかに関する情報と考えることができます。上り坂を通過するとき指は上に動き、下り坂を通過するとき指は下に動くというように、指の動きが形状の情報を持っています。力の情報というのは、凸凹した面をなぞったときに指が受ける力の向きや大きさです。上り坂を通過するとき指は進行方向と反対の方向に抵抗を受け、下り坂を通過するとき指は進行方向へ後押しする力を受けるというように、力の情報も凹凸を推定する手がかりになりそうです。

これらの形状の情報と力の情報が矛盾した状況を作り出して実験を行うことで、力の情報が凹凸の判断においてより重要なことを突き止めた研究者たちがいます。例えば、へこみをなぞったかのように指が下がったあと上がった場合であっても、指が下がるときに抵抗するような力を、指が上がるときに解放されるような力が提示された場合、なぞった人々はでっぱりを触ったと回答することが多かったのです。同様に、形状の情報がでっぱりであっても力の情報がへこみであれば、なぞった人々はへこみを回答する傾向が見られました。

このページの動画のセットアップにおいて、なぜ磁石を平らな面の上で滑らせたにも関わらずでっぱりやへこみを感じたのか、もうおわかりかもしれません。反発し合う磁石の組み合わせの場合、滑らせる磁石が固定された磁石に近づくと徐々に反発する力を感じます。そして固定された磁石の上を通過すると、今度は逆に離れようとする力を感じます。このように力の時間変化パタンがでっぱりを乗り越えるときのパタンに似ています。そのため、実際には磁石が上下に動いていなくても、まるででっぱりを乗り越えたように錯覚してしまうのだと考えられます。

説明図 水平方向の力に基づく凹凸錯覚
説明図 水平方向の力に基づく凹凸錯覚

参考文献

  • Robles-De-La-Torre, G., & Hayward, V. (2001). Force can overcome object geometry in the perception of shape through active touch. Nature, 412(6845), 445–448.

デモのながれ

[1]. 磁石2つと、ものさしを用意し、片方の磁石の上にものさしを重ねます

[2]. 重ねた磁石とものさしを手でしっかりと固定します

[3]. もう一方の磁石を持ち、固定したものさしの上を横方向にすべらせます

[4]. 磁石は横に動いているだけなのに、小さな凸か凹を乗りこえたような感じがします

[5]. 不思議ですね!

デモについて

  • デモの操作方法については、使用方法のページをごらんください。
  • 錯触デモを試される際には、皮膚・身体等に痛みやダメージを与えないよう、刺激強度、刺激方法、道具の操作にお気をつけください。

Back to top

形状知覚一覧

回転する砂時計の錯覚

回転ディスクの伸長錯覚

凹凸の残効

魚骨触錯覚

リッジ/トラフ錯覚

くし錯覚

水平方向の力に基づく凹凸錯覚

ミュラーリヤー錯触

デルブーフ錯触

垂直水平錯触

Back to top